パソコンの電源ユニットといえば、可動に必要不可欠な存在ですよね。
しかし、そんな重要な部品でも意外とその仕組や各部について知らない方も多いのではないでしょうか。
電源ユニットは、基本的にコンセントに供給されているAC(交流)100Vの電力供給を受け、DC(直流)の電圧の電力に変換して供給するパーツです。
その変換の仕組みや電源ユニット各部位の働きについて詳しく知ることで、故障などの不慮の事態に陥った際に、その原因解明や対策を講じることが出来ることでしょう。

そこで今回は、電源ユニットの仕組みや各部位の働きについてご解説します!

電源の電力変換の流れ

電力変換の流れ

電力変換の流れ

パソコン用の電源は一般的に“スイッチング電源”と呼ばれており、基本構造は誕生した当初の「IBM PC」と現在の「PC/AT互換機」で変わるところはほとんどありません。
スイッチング電源の構造は、それ以前の電源と比較して複雑ですが、同じ電力を得るためでもより小さく軽く作ることが可能です。

古くから基本構造が変わらないということはそれだけ信頼性の高い構造だということですね。

PC本体同様、電源はどの製品もその内部構造は似かよっている。自作PC用電源の多くは、当初デファクトスタンダードとなっていたものをベースに策定されたATX規格で電源仕様が定められており、これをもとに設計されている。現在では要求仕様をPower Supply Design GuideとしてIntelがまとめ、その中にATX12Vなど電源仕様も含まれているため、必然的に同じような構造になる。
1 AC電源を入力する
家庭用100VのAC(交流)電源を保護回路やノイズ低減フィルタを通して、ダイオードブリッジによる整流回路に引き込む

2 整流回路で脈流に変換
ダイオードブリッジを用いて交流を一方向の脈流に整流する

3 PFC回路で力率を向上
Active PFC回路などにより、一度に流れる電流量を抑制し、力率を向上させる

4 1次平滑回路で安定した直流に変換
電解コンデンサを使用して脈流を平滑化し、より安定した直流に変換する

5 スイッチング回路でパルス信号に変換
直流化した電力をスイッチング回路を用いて一旦周波数の高いパルス信号に変換を行なう

6 トランスで電圧を調整する
入力と出力を絶縁して、実際にPC内部で使う電圧になるように調整する

7 PWMコントローラで電圧を安定させる
出力された電圧をパルス幅変調(Pulse Width Modulation)回路にフィードバックすることで出力電圧を一定に保つ

8 2次平滑回路で直流に戻す
トランスからの出力はまだパルス状の出力なので、これを整流・平滑化して直流に直す

“力率”を改善!Active PFC回路

Active PFC回路

Active PFC回路

Active PFC回路とは、平滑回路へ送る前に“力率”を改善する回路です。

高調波規制によりスイッチング電源の力率改善が求められるようになり、このような回路を経由する製品が多くなりました。

脈流をそのまま整流すると入力側から見て電流の流れる時間が小さくなり、大量の電流が流れ力率が低下する。これを抑えるために信号を細切れにして一度に流れる電流を抑制するチョッパー回路を入れ対策している。これがPFC回路だ。昇圧回路も兼ねていて、PFC対応電源は100/200Vの切り換えに自動で対応できる。この回路も一種のスイッチング回路である。

力率とは簡単に言うと「交流を直流に変換するための効率」です。
交流から直流に変換する際に、その効率が低下するのを抑制するために必要になります。

これがうまく機能しないと、変換効率が悪くなり、電力を必要以上に使うことになります。
出力低下の際は、この部分の故障などを考慮してみましょう。

安定した直流へ!1次側・平滑回路

1次側・平滑回路

1次側・平滑回路

入力コンデンサを用いて脈流をより安定した直流に変換するための部分になります。
ただし、力率が低下しやすい部分なので、先の「Active PFC回路」で力率を改善してからこの部分に電気が流れます。

この部分は、電源出力に応じた容量が必要になりますので、出力が大きければこの部分も大きくなります。
また、高熱になりやすい部分なので、85℃まで耐えるものや今では105℃まで耐えるものが使用されています。
105℃対応品の方が85℃対応品より寿命が約4倍と言われています。

電力を各パーツへ!ケーブル

ケーブル

ケーブル

電源から変換された電力を各パーツへ送るために必要なのがこのケーブルです。
上記画像のように、ケーブルには様々な種類があり、それぞれ対応するパーツが違います。
基本的に、ピン数が合わないので間違えることは少ないですが、間違えて挿し込むと故障の原因になりますので、しっかりと確認してから挿し込みましょう。

また、一部パーツだけが起動しない場合、このケーブル部分で問題が発生している可能性もあります。

熱くなる電源ユニットを冷やす!冷却ファン

冷却ファン

冷却ファン

電源ユニットというのは先程の1次側・平滑回路など熱を発する部品が多く詰まっています。
熱というのは、やはり電子機器にとって致命的なダメージを与えるものですので、可能な限り排熱したいと思いますよね。

その役割に担うのが冷却ファンです。
ファンの回転により、空気の循環を行って排熱しています。
最近ではSFX電源などの小型の電源ユニットではファンレスやセミファンレスといったものも存在していますが、基本的に電源ユニットには冷却ファンが装着されています。

パソコンが異常に熱くなっている場合や全体的なパフォーマンスが落ちている時、この冷却ファンが正常に機能していない可能性があります。

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